● 雪中キャンプは初めて。何を準備すれば良いか不安。
● 雪中キャンプって寒くないの?
積雪の中でのキャンプは、少しハードルが高く感じますよね。
たしかに夏に比べると準備する物が多くなります。
でも、しっかりと対策さえすれば、人も少なく虫も少なく、快適に楽しむ事が出来ます。
今回は、豪雪の青森県でキャンプを楽しむ私が、雪中キャンプに必要な物を詳しく紹介します。
冬の雪中キャンプ装備を解説
積雪の中でのキャンプに最低限必要な道具は、以下の通りです。
❶ テント
❷ 夏用ペグ
❸ 農業用プラスチックペグ
❹ ペグハンマー
❺ スコップ
❻ 長靴
❼ 70ℓの袋
❽ LEDランタン
❾ 冬用寝袋
❿ マット or コット
⓫ 湯たんぽ
⓬ 暖房器具(石油ストーブ or 薪ストーブ)
⓭ 反射板
⓮ 一酸化炭素チェッカー
夏のキャンプと比べて、これくらい必要になります。
ただし、❶テント、❷夏用ペグ、❹ペグハンマー、❿マットorコットの4つは夏用で構いません。
参考までに、私が冬キャンプを行う時の環境は以下の通りです。
これに近しい環境でしたら、大体この装備で大丈夫です。
【積雪】10~50cm前後の積雪
【気温】-5℃~0℃前後の気温
【スタイル】車使用のキャンプ
それでは、それぞれ役割を紹介します。
❶ テント
結論から言うと、テントは何でも構いません。
夏用のテントがそのまま使えます。
「夏用のテントだと寒いんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、全く寒くありません。
あえて夏用、冬用のテントで分けるとすると「素材」「スカートの有無」の2点違いがあります。
素材については、一般的なナイロンテントなのか、混合綿のTCテントなのか違いがあります。
(※TCテントは重くて乾きにくいデメリットも。)
冬と言えば混合綿のTCテントの方が暖かそうなイメージがありますが、結局のところ中で暖房を付ければ暖かさは全く変わりません。
また、TC素材には「重い」「乾きにくい」「濡れたまま仕舞うとカビが生える可能性がある」といった弱点があります。
重さに関しては、ナイロンテントの3倍前後の重要がありますので、ただでさえ準備が大変になるのは避けたいところ。
積雪の中でのキャンプですから、家に持ち帰ったところで乾かすのが大変です。
準備の手間、また帰ったあと乾かす事を考えると、実はナイロンテント(ポリエステルテント)が良いと私は思っています。
また、スカートの有無も問題ありません。
本当に積雪地でキャンプをするなら、キャンプをしているうちにテントの周りにどんどん雪が積もってきますので、スカートが無くても隙間は段々と無くなります。
※煙突を出しているテントは、ルクセ・メガホーン3というテントになります。
❷・❸ ペグ
雪中キャンプで使うペグは、積雪の高さによって変わります。
地面まで打ち込めるようなら夏用ペグ、地面まで届かず雪に打ち込む場合は農業用プラスチックペグを使います。
積雪が10cm程度だったり、積もっていてもスコップで掘れるなら固定力の強い夏用ペグを使えば安心です。
もし積雪が深く、地面が全く出てこないようなら農業用のプラグチックペグがおすすめです。
農業用のプラスチックペグは、本体にいくつか突起(フック)が出ており、ある程度固めた雪に対しては結構な固定力を誇ります。
キャンプ用品のプラペグは1本200円~と値が張りますが、ほぼ同じ形状の農業用ペグなら1本50円~程度で購入出来ます。
積雪具合が分からない場合も多いので、基本的には夏用ペグ、農業用ペグ両方持っていく事をおすすめします。
❹ ペグハンマー
積雪が浅く、または雪を掘って地面近くまで到達出来そうな場合、夏用ペグを打ち込む際ためにペグハンマーを使用します。
特に雪を掘る場合、下の方は氷になっている事がほとんどです。
氷はかなり硬いので、貫通するためにペグハンマーで打ち込みます。
❺・❻ スコップ&長靴
雪はボコボコしているので、そのまま設営すると寝心地が悪かったりします。
サイトに着いたら、まずはスコップで雪かきをしましょう。
積雪が多い時には雪を脇に投げ捨てるように、ある程度少なくなってきたらグラウンド整備のトンボを使うようにスコップで地面を均していきます。
最後に、長靴を履いて踏み固めていきましょう。
雪は知らず知らずのうちに靴に入り込みます。
足冷えから体温の低下を招く可能性もありますので、雪が入らないよう設営時は長靴で行うのがおすすめです。
❼ 70ℓの袋(ビニール)
雪中キャンプで一番大変なのは、撤収です。
吹雪の中、テントを折り畳んでいると心が折れそうになります。
車の収納部で畳もうとするうちに、車の中まで雪が積もってきてしまいます。
また、雪でびしょびしょに濡れたテント、濡れたまま収納袋に入れるのは何だか嫌ですよね。
そんな時に活躍するのが大きめのビニール袋。
濡れてしまったテントを畳まずにビニール袋に入れる事で、撤収も楽で乾かす手間もありません。
家に帰ってから、ゆっくり拭いたり乾かしたりしましょう。
❽ LEDランタン
雪中キャンプでは、LEDランタンがおすすめです。
理由は一酸化炭素が出ないからです。
雪中キャンプでは、夏のキャンプに比べて入口を閉める時間が長くなります。
一酸化炭素がたまる機会を増やしている事になりますし、ただでさえ暖房器具で一酸化炭素が出ますので、安全のためにLED等の電気ランタンがおすすめです。
❾ ★冬用寝袋
さて、雪中キャンプをする上で一番大切なのは「寝袋」です。
就寝時は、一酸化炭素中毒から身を守るため暖房を消すのが鉄則です。
寝る直前までどんなにテント内を暖めていても、結局はすぐに外気温と同じくなります。
私の経験では、最低対応温度が「気温-15℃」の寝袋を使えば、暖かく寝れると思っています。
例えば気温マイナス5℃でキャンプをする場合、マイナス20℃以下に最低対応温度を謳っている寝袋なら大丈夫だと思います。
なお、私は体温からの反射暖を得るために、長袖を1~2枚羽織る程度の薄着で寝る事が多いです。
後ほど紹介しますが、湯たんぽも併せて使用すると寒くなる事はなく、快適に眠れます。
❿ マット or コット
雪の地面はとても冷たいので、冷たさを遮断するマットやコットは必須です。
私はコットが苦手なので、一番下にグランドシート、その上に銀マット(厚さ1cm)、その上にマットレス(厚さ3cm)を敷いて寝ています。
この状態で、地面からの寒さを感じる事はありません。
ただし、雪の上に直接置くグランドシートはかなり滑りやすいので注意が必要です。
⓫ 湯たんぽ
寝袋がしっかりした物であれば湯たんぽは不要ですが、あれば更に暖かく眠る事が出来ます。
おすすめは直接ストーブの上などに置いて沸騰させられるタイプ。
マルカさんの湯たんぽ等がそれにあたります。
キャンプ用のケトルは大きいほど荷物になるので、直接暖められるタイプがおすすめです。
湯たんぽはかなり熱くなるので、湯たんぽケースが付属していない場合は用意しておきましょう。
⓬ 暖房器具
主に日中暖かく過ごすために、暖房器具が必要です。
ガスストーブ、石油ストーブ、薪ストーブの3種が代表例ですが、おすすめは石油ストーブか薪ストーブ。
ガスストーブは、氷点下では点かない、もしくは火力が大幅に弱くなります。
それではただの荷物になりますので、石油ストーブ(移動中の燃料漏れ防止のためタンク一体型のもの推奨)、または薪ストーブを選ぶと良いです。
薪ストーブの場合、地面に熱が伝わり雪が溶け、段々と下がっていくので煙突の位置等には注意してください。
また、いずれも一酸化炭素という最悪死亡に繋がるガスが発生していますので、換気はしっかり行い、一酸化炭素チェッカーを起動させ、自己責任で使用してください。
⓭ 反射板
反射板、正確にはかなり大きな鉄製風防を持っていきましょう。
石油ストーブや薪ストーブ、または焚き火を囲うように設置すると、熱が反射されて暖かくなります。
⓮ 一酸化炭素チェッカー
先程ストーブの項でも少し触れましたが、ガス、石油(灯油)、薪等の暖房は一酸化炭素という有毒ガスを発生します。
濃度が高くなったのに気づかないでいると、最悪死亡するケースに繋がりますので、本当に気を付けなければいけません。
一酸化炭素濃度を計測し、危険値に近づくとアラームを発してくれる便利なセンサーが市販されていますので、必ず使用するようにしてください。
※写真のDODの一酸化炭素チェッカーは終売のようですので、近いリンクを貼ります。
上記を一通り揃えた場合の目安金額
夏キャンプの道具を流用する前提の参考金額です。
例えば暖房器具や一酸化炭素チェッカーはもっと安いものがありますし、反射板は必ずしも必要ではなく、マットやコットも流用すると安く抑える事が出来ます。
❶ テント | 0円 | ※夏用流用 |
❷ 夏用ペグ | 0円 | ※夏用流用 |
❸ 農業用プラスチックペグ | 約500円 | ※10本入り |
❹ ペグハンマー | 0円 | ※夏用流用 |
❺ スコップ | 約2,000円 | ※アルミスコップ |
❻ 長靴 | 約2,000円 | – |
❼ 70ℓの袋(ビニール) | 約100円 | ※100円均にも有り |
❽ LEDランタン | 0円 | ※夏用流用 |
❾ 冬用寝袋 | 約15,000円 | ※ベアーズロック寝袋 |
❿ マット or コット | 約5,000円 | ※銀マット + マットレス |
⓫ 湯たんぽ | 約3,000円 | ※マルカA 3.5ℓ |
⓬ 暖房器具 | 約35,000円 | ※アルパカストーブ(石油ストーブ) |
⓭ 反射板 | 約5,000円 | ※高さ60cm・8枚連結のもの |
⓮ 一酸化炭素チェッカー | 約15,000円 | ※国産×1、中国産×1の計2台体制 |
合計 | 約82,600円 |
雪中キャンプの流れ
ここまでは、雪中キャンプで必要な道具を紹介しました。
実際にどういう順番で道具を使用しているのか、参考例として私の流れを紹介します。
❶キャンプ場到着。スコップでサイトを平らに均し、踏み固める。
↓
❷テントを設営。夏と変わりません。
↓
❸暖房器具を設置。点火前に、反射板で囲うのを忘れずに。一酸化炭素チェッカーも起動。
↓
❹LEDランタンや寝袋等を設置。
↓
❺湯たんぽが沸いたら就寝。
↓
❻起床。撤収時は、ビニール袋にテントを入れて楽に撤収。その他収納が面倒なものは、仕分けしてビニール袋で持ち帰り。
雪中キャンプは対策が重要。簡単・快適に楽しみましょう!
今回は豪雪地でキャンプを楽しんでいる私が、普段準備している道具の紹介をさせて頂きました。
冬のキャンプはハードルが高いイメージがありますが、しっかりと対策をすれば非常に快適に楽しむ事が出来ます。
今回紹介した中で重要なのは寝袋です。
夜や朝方、寒くて寝れずに起きるというのは私の中で最悪の思い出です。
しっかりとした極寒用寝袋を最低限準備、雪中キャンプを楽しんでくださいね!